妊娠中でも茶道は続けられる?臨月まで「自分を整える」時間を諦めない【正座をしない茶道茶の実】

query_builder 2026/03/25
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3年半の軌跡と、ある生徒さんの卒業(休止)


先日、私の主宰する茶道教室「正座をしない茶道 茶の実」で、一つの大きな節目を迎えました。

3年半という月日。月1回のペースでコツコツと通ってくださった生徒さんが、この度、出産という人生の新しいステージを前に、一旦お稽古をお休みされることになったのです。


月1回のお稽古を5クール、計30回以上。

忙しい日常の中で、彼女がどれほどこの時間を大切にしてくださっていたか。

その歩みを近くで見守ってきた私にとっても、非常に感慨深い一日となりました。



規格外の美しさ。「紅獅子」の椿が伝えたかったこと


その日、お茶室に生けたのは「紅獅子(こうじし)」という名の椿でした。

鮮やかな赤、そして「唐子咲(からこざき)」と呼ばれる華やかな花びらが特徴の大輪の椿です。

実は、この「紅獅子」は、お茶の世界のルールから言えば、少し「規格外」かもしれません。

茶席では、控えめでつつましい花が好まれることが多いからです。

それでも、私はこの日、どうしてもこの花を彼女に見てもらいたかった。

蕾の状態でもその大きさが伝わるほどの力強さ。

そして、パッと花開いた時の圧倒的な華やかさ。

これから母になろうとする彼女の、凛とした美しさと生命力に重ね合わせずにはいられなかった。

「ルール」よりも「想い」を大切にする。

それもまた、私がこの教室で伝えたい茶道のあり方でもあります。

お菓子は、これから訪れる春と彼女の新しい門出を祝し、桜をイメージした主菓子をご用意しました。

写真に残せなかったのが悔やまれるほど、その場は春の予感と温かな空気に満ちていました。



友人が驚いた「3年半の軌跡」と、手に入れた「品格」


最後のお稽古日には、彼女を私に紹介してくれた大切な友人も駆けつけてくれました。

始めて人前でお点前(お茶を点てる一連の動作)をして、その様子を見た友人は、終始驚きの連続。


「お点前はもちろんだけど、彼女の全体的な雰囲気が、本当に品よくなっていてびっくりした」

「所作がきれいになった。よく、ここまで頑張ったね!」


友人からの心からの称賛。

それは、単に「技術が上がった」ことへの驚きではなく、茶道を通じて彼女が手に入れた

「自分を整える力」が、外見や立ち振る舞いという「品格」になって溢れ出していたことへの感動だったのではないでしょうか。

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妊婦さんと茶道。これまでの「当たり前」を疑う


ふと振り返ってみると、私がこれまで歩んできた茶道の世界では、

「妊娠=お稽古を辞める、あるいは休む」というのが半ば常識でした。

それは、お腹が大きくなるにつれて「正座」が物理的に困難になるからです。

臨月近くなってお腹が大きくせり出してくると、

重心が変わり、膝や腰への負担は相当なものになります。

正座から立ち上がる動作一つとっても、見ているこちらが手を貸したくなるほど大変な重労働

その負担を考えれば、妊娠を機に茶道から遠ざかってしまうのは、仕方のないことだったのかもしれません。



「椅子でのお稽古」が、ライフステージの壁を壊す


しかし、私の教室が提案する「正座しない茶道」は、その壁を軽々と飛び越えます。

椅子に座るスタイルであれば、臨月ギリギリまでお稽古を続けることが可能です。

もちろん、お腹が大きくなることで、お点前をする手元が少し狭く感じることもあるかもしれません。

ですが、身体への無理な負担をかけずに、美しい所作に没頭できる。

これは、女性のライフステージがどれほど激しく変化しても、「自分のための豊かな時間」を諦めなくていい、という強力なメッセージになると確信しました。



抹茶とカフェイン。心を整える「香り」の力


もう一つ、妊婦さんが気にされるのが「カフェイン」です。

抹茶にはカフェインが含まれているため、控える方も多いですよね。

今回の生徒さんの場合、私たちは一つのルールを決めました。

「月1回のお稽古の時に、とっておきの一服だけをいただく。あとは、お白湯でお点前の練習をする」

彼女は、お茶を点てる時の茶せんの音や、ふわりと立ち上がる抹茶の香りが、何よりも気持ちを落ち着かせてくれると言ってくれました。

飲む量ではなく、その「空間」と「香り」、そして「自分と向き合う時間」そのものが、彼女にとって最高の安産のお守りになっていたのかもしれません。


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日常を脱ぎ捨てて、またここで


「落ち着いたら、また再開します」

笑顔でそう言い残して、彼女は新しい日常へと歩み出していきました。

茶道は、自分を整えるためのツールです。

正座ができなくても、毎日お茶を飲めなくてもいい。

ただ、忙しい日常を脱ぎ捨てて、自分に帰れる場所があるということ。

その場所が、あなたの人生をより豊かで、品格あるものに変えてくれると信じています。



これから新しい命に出会うすべての女性へ。


お茶室は、いつでもあなたを待っています。


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