「芍薬と石楠花」似て非なる花!取り扱い要注意の花はどっち?【正座をしない茶道茶の実】
先日、知り合いのご自宅に伺ったら、リビングに芍薬の花がたくさん有田焼の花瓶に生けられて目を奪われました
芍薬は、初夏に咲く花
ちょうど今頃から満開になります
今年は、春先も寒かったからか咲くのが遅いそうで、GWが過ぎた頃から一斉に咲き始めたそうです
お茶席の茶花として使われることもある芍薬
芍薬と似た花で石楠花があります
ところで芍薬と石楠花の違いわかりますか?
芍薬はボタン科ボタン属
石楠花はツツジ科ツツジ属 と分類から違います
姿からも明確な違いがわかります
特に葉の形と質感そして花の咲き方と形で見分けます
芍薬の葉は、手のひらを広げたような形で光沢があり、比較的柔らかい印象を与えます
花の咲き方は、茎の先端に単独で大輪の花が咲き
花びらは幾重にも重なり、ふっくらとした丸みを帯びています
対する石楠花の葉は、細長く革のような厚みがあり、裏面には褐色の毛が密生しているものが多いです
花は、枝先に複数の花が集まって咲きます
花一つ一つは芍薬ほど大きくありませんが、集まって咲くことで見事な花房を形成します
花びらは比較的肉厚で、内側に斑点模様が入るものも多く見られます
また、樹の姿にも違いがあり
芍薬は、草本で冬には地上部が枯れ春になると再び芽を出し、初夏に花を咲かせます
一方、石楠花は常緑性の低木または高木であり一年を通して緑の葉を茂らせています
芍薬と石楠花の違いは、理解できたでしょうか?
芍薬は、その堂々とした美しい花姿から、古くから茶花としても愛されています
華やかな花なのに、華やかさを感じさせず茶席にひっそり佇んでいますが、結構難しい花でもあります・・・
芍薬を茶花として生ける際に心得ておくべきことは4つ!
* 蕾を生けること!
これは、他の花でも同じなのです
茶席では、開きかけの蕾や咲き始めの花を生けることで、これから開花する生命力や
一瞬の美しさを表現することが好まれます
* 葉の扱いに注意すること
葉が大きいので、そのまま生けると主張が強すぎる場合があります
そのため、全体のバランスを見て、整理したり、他の草ものと組み合わせて生けたりするなどの
工夫が必要です
* 季節感が大切
芍薬は初夏の花
その季節感を大切にし、他の季節の花と混ぜて生けることは避けたほうがいいです
* 花言葉
「優しさ」「はにかみ」「謙遜」
これらの花言葉を意識しながら花を選ぶのも、茶の湯の楽しみの一つで
茶席での話題のネタになります・・・
芍薬には毒があります
毒がある場所は根っこ!
根にペオニフロリンという成分が含まれており、多量に摂取すると下痢や嘔吐などの症状を引き起こす可能性があります
しかし、通常、茶花として生ける場合や、園芸として楽しむ分には、毒性を気にする必要ないですが、
誤って口にしないように注意が必要です
石楠花は、美しい花ですが、茶席には不向きです!
その理由として4ツ挙げると
*豪華すぎる印象を与える
花房のボリューム感と鮮やかな色彩から華美な印象を与えてしまうからです
茶席の雰囲気を損なう可能性があるため、敬遠されることがあります
*葉の存在感が強い
革のような厚みがある葉は、力強くて主張が強いため、茶席の美意識とは異なる場合があります
*毒性がある
グラヤノトキシン類という有毒成分が含まれており
誤って摂取すると神経系の麻痺や嘔吐・下痢などを引き起こす可能性があります
特に蜜には毒性が含まれているため注意が必要
茶席は、お客様をもてなす場、安全性を考慮して毒性のある花を避けます
*花言葉が・・・
花言葉が「荘厳」「威厳」「高嶺の花」など
茶席の謙虚さや和の精神とはやや異なる印象を与えることも一つの理由になっているようです
茶の湯において花は、単なる飾りではなく季節の移ろいを静かに語り、亭主のもてなしの心を伝える
大切な要素なのです
どの花にもそれぞれの魅力があり、私たちの心を豊かにしてくれる力がありますが、
茶席で使うとなると、その場の雰囲気や季節、そして亭主の想いが込められた花が選ばれます
記事検索
NEW
-
query_builder 2025/05/12
-
大河ドラマ「べらぼう」にハマってます(>_<)【正座をしない茶道茶の実】
query_builder 2025/04/18 -
茶室の小さな入り口「躙り口」【正座をしない茶道茶の実】
query_builder 2025/04/12 -
桜の時期に食べる甘味は?【正座をしない茶道茶の実】
query_builder 2025/04/02 -
お花見の起源は、桜では梅だった🌸【正座をしない茶道茶の実】
query_builder 2025/03/31
CATEGORY
ARCHIVE
- 2025/051
- 2025/043
- 2025/032
- 2025/022
- 2025/013
- 2024/122
- 2024/112
- 2024/102
- 2024/093
- 2024/082
- 2024/073
- 2024/063
- 2024/052
- 2024/044
- 2024/034
- 2024/023
- 2024/013
- 2023/122
- 2023/114
- 2023/103
- 2023/091
- 2023/052
- 2023/042
- 2023/033
- 2023/025
- 2023/012
- 2022/124
- 2022/114
- 2022/104
- 2022/092
- 2022/061
- 2022/051
- 2022/041
- 2022/031
- 2022/022
- 2022/012
- 2021/011
- 2020/041
- 2019/111
- 2019/101
- 2019/091
- 2019/021
- 2018/021
- 2017/102
- 2017/092
- 2017/083
- 2017/071
- 2017/061
- 2017/052
- 2017/011
- 2016/0822
- 2016/052
- 2016/022
- 2016/012