金継ぎで壊れた器が再生され、新たな美しさを発見❣【正座をしない茶道茶の実】

query_builder 2025/02/27
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突然ですが、みなさんはお気に入りの器をうっかり割ってしまった経験はありますか?

「ああ、もうダメだ…」と、悲しい気持ちになってしまいますよね

でも、ちょっと待ってください

割れてしまった器も、金継ぎという日本の伝統的な技法を使えば、

あたらしい美しさを持って生まれ変わるんです



先日、兄弟子より「金継ぎ展」へのお誘い連絡がありました

せっかく兄弟子からのお誘いを無視するわけにはいきません・・・

それに我が家に壊れた器類があるので、以前から金継ぎには興味がありました



金継ぎって、どんなもの?


金継ぎとは、割れたり、欠けたりした器を漆(うるし)という天然の接着剤で修復し、

その継ぎ目を金などの金属で装飾する技法です

金継ぎの歴史は古く、室町時代には既に行われていたそうです

壊れたものをただ直すだけでなく、壊れた部分を「景色」として捉え、

あたらしい美しさを生み出す

日本ならではの、独特の美意識が込められています



金継ぎの魅力、それは「ものがたりを繋ぐ」こと


金継ぎの最大の魅力は、壊れてしまった器に、あたらしい命を吹き込み、

ものがたりを繋いでいけることです

たとえば、おばあちゃんから譲り受けた大切な器…

うっかり割ってしまって、悲しい気持ちになっていたけれど、金継ぎをすることで、おばあちゃんの

想い出とともに、器をあたらしい形で使い続けることができる

割れた部分には、その器が歩んできた時間が刻まれています

金継ぎは、傷跡を隠すのではなく、むしろ、あたらしい景色として、あたらしいものがたりとして、

美しく見せてくれるんです



金継ぎには、いろんな表情がある


金継ぎに使われる金属は、金だけでなく、銀やプラチナなど、さまざまな種類があります

また、漆の色や塗り方によっても、仕上がりの表情は大きく変わります

たとえば、金を使うと、華やかで、あたらしい景色が生まれます

銀を使うと、落ち着いた、シックな印象になります

同じ器でも、どんな素材で、どのように金継ぎをするかによって、まったく違った表情になるのが、

金継ぎの面白いところです



金継ぎは、SDGsにも繋がる、サステナブルな取り組み


ものを大切に、長く使う・・・

金継ぎは、SDGs(持続可能な開発目標)にも繋がる、

サステナブルな取り組みとしても注目されています

壊れたものを捨ててしまうのではなく、直して、あたらしい価値を与える

金継ぎは、ものを大切にする心を育み、資源を有効活用することにも繋がります



金継ぎを、もっと身近に


「金継ぎって、難しそう…」

そう思った人もいるかもしれません。確かに、本格的な金継ぎは、専門的な知識と技術が必要です

でも、最近では、初心者でも気軽に金継ぎを体験できるワークショップや、金継ぎキットなども

増えてきています

自分で金継ぎをしてみると、ものが生まれ変わる喜びや、ものがたりを繋いでいく楽しさを、

きっと感じることができるはずです



金継ぎで、あたらしい美しさを発見しよう


金継ぎは、壊れた器をあたらしい美しさで生まれ変わらせる、魔法のような技法です

ものがたりを繋ぎ、あたらしい価値を生み出す金継ぎの世界

ぜひ、みなさんも体験してみてください

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金継ぎの茶道具を使った名残の茶会


茶の湯では、10月を「名残の月」と呼び、一年を通して使ってきた道具や、季節の移り変わりを惜しむ月とされています

そんな名残の月にふさわしいのが、金継ぎの茶道具を使った茶会



名残の月って、どんな月?


炉を開く11月を前に、風炉(ふろ)の季節の終わりを惜しむ月とされています

夏の間、私たちを楽しませてくれた緑豊かな景色も、だんだんと色褪せ、

やがて冬へと向かっていきます

そんな移りゆく季節を惜しみつつ、また来年も美しい景色を見られるようにと願いを込めて、

茶人は名残の月を過ごします



名残の月には、金継ぎの茶道具がふさわしい


名残の月は、過ぎゆくものを惜しむ月

そのため、茶会で使う道具も、

どこか侘(わび)しい、寂(さび)しい雰囲気をまとうものが好まれます

そこで、名残の月の茶会にふさわしいのが、金継ぎの茶道具

金継ぎは、割れたり、欠けたりした器を修復する技法で、壊れてしまったものをただ直すのではなく、その傷跡を景色として、あたらしい美しさを生み出す

名残の月は、過ぎゆくものを惜しむ月であると同時に、あたらしい季節への

期待を込める月でもあります

金継ぎの茶道具は、まさに名残の月の茶会にぴったりの道具と言えるでしょう



金継ぎの茶道具で、ものがたりを味わう


金継ぎの茶道具には、ものがたりがあります

たとえば、長年使い込まれて、何度も修復された茶碗

そこには、所有者の想いや、茶碗が辿ってきた歴史が刻まれています

金継ぎの茶道具を使うことで、私たちは、ものがたりを味わい、

あたらしい美しさを発見することができるのです



金継ぎの茶道具で、あたらしい出会いを

金継ぎの茶道具は、あたらしい出会いをもたらしてくれることがあります

たとえば、茶会で使われた金継ぎの茶碗

その茶碗に魅了された人が、金継ぎに興味を持ち、自分で金継ぎを始めるかもしれません

金継ぎの茶道具は、ものがたりを繋ぎ、あたらしい文化を生み出す力を持っているのです


私も今回の「金継ぎ展」に行って、

「金継ぎの道具で茶会をしたいなぁ~」と思いました

それこそ金継ぎに至った物語を皆さんと共有したい

壊れた器が蘇って新たな魅力を醸していることを語りたい等々、妄想が膨れ上がりました


金継ぎ道具を使っての茶会は、まだまだ先になると思いますが、

いずれ開催できるよう精進します(^_^;)

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